<原神SS>原神日和2

2022年11月24日

6.野望

ディオナ「今日こそは究極ゲロマズのお酒を作って、飲んだくれたちをギャフンと言わせるにゃ」

バーバラ「えーっと、どうして私が呼ばれてるんだろう……」

ディオナ「バーバラさんはスパイシードリンク作ってるでしょ。それを足してみようと思うの」

バーバラ「それって、私のドリンクが美味しくないってこと?」

ディオナ「そ、そうじゃないにゃ! ただ数ある材料の一つにしようと思ったの」

バーバラ「うーん……あ、でもディオナちゃんがそうしたいって事は、すごく美味しいお酒になるって事だよね」

ディオナ「他にも色々入れるから、そうはならないにゃ」

バーバラ「何を入れるの?」

ディオナ「何がいいと思う?」

バーバラ「うーん、香りづけは」

ディオナ「マズくしないとだから、ありえない材料にしてほしいにゃ」

バーバラ「えー……じゃあ、スミレウリとか?」

ディオナ「どうやって調達すれば……」

通りすがりの鬼「ん? いまスミレウリの話をしたか? こいつは焼くとおいしいんだが、欲しいなら一つくれてやるよ!」

ディオナ「すっごいご都合展開! ありがとう」

通りすがりの一斗「いいってことよ! へへ、今日もひとつ良い事をしてしまったぜ」

ディオナ「あとは……草スライムの葉っぱに、ハチミツが少し余ってたからそれと……」

バーバラ「ベースは何にするの?」

ディオナ「ジンにするにゃ」

バーバラ「へぇ……お、お姉ちゃんと混ざってるみたい……ふふ」

ディオナ「あとはなんかこの辺のあまりものをミキサーして、入れてシェイクして……できたにゃ!」

バーバラ「色は、なんだかすごいね……」

ディオナ「今度こそゲロマズのお酒ができたっぽいかな? じゃあこれを今日のメニューとして出してやるにゃ」

バーバラ「ドリンクたくさん用意しとくね」

その晩、普通にめちゃくちゃ繁盛した。

 

 

7.野望その2

ディオナ「そろそろ酒造業を廃業させる方向で動き始めてもいいかもしれないにゃ」

クレー「爆破するの!?」

ディオナ「なんでにゃ!!」

クレー「だって、やっつけるんでしょ?」

ディオナ「だからって例えばお店とかを爆破して回ったら、流石に反省室じゃすまないでしょ! 色んな意味で……」

クレー「じゃあどうするの?」

ディオナ「えーっと、それは……」

ウエンティ「それなら、酒樽に細工をしたらどう?」

ディオナ「あんたは!」

クレー「こんにちは!」

ウエンティ「こんにちは、お嬢さんたち。ぼくの提案、とってもいいと思うけどなぁ」

ディオナ「飲んだくれのあんたが、なんでそんな提案するのよ」

ウエンティ「だって一生懸命に頑張ってるじゃない。たまにはそういうの、応援したくなるんだよね」

ディオナ「怪しいにゃ……けど確かに、方向性としては悪くないかもしれない。どうしたらいいの?」

ウエンティ「ほらあそこに丁度良い酒樽が見えるだろう? あれにこっそり穴をあけて……あ、穴は勿論上からあけるんだよ? そこからこう、怪しげな液体や材料をどぼどぼと……ね」

ディオナ「まるまるダメにしちゃうわけね! すごくいいと思う!」

クレー「そんなことしたら怒られないかな?」

ウエンティ「大丈夫大丈夫。頑張ってる子を応援するのも、ぼくのつとめだからね」

ディオナ「答えになってないような……ともあれ、実行するにゃ!」

ただめちゃくちゃ美味しいお酒ができあがっただけだった。

 

 

8.野望その3

ディオナ「流通を止めるっていう強硬手段もありだと思うにゃ」

タルタリヤ「なるほど。俺ならそういうのも、やってやれないわけじゃないな」

ディオナ「(誰?)」

タルタリヤ「お嬢ちゃん。そういうのは解りやすくていいな。流れてくるはずの酒を、全部買い占めればいいんだろ?」

ディオナ「そうだけど、そんなことできるの?」

タルタリヤ「できなくはないさ。ちょっとばかし、強引な手段になるけどね」

ディオナ「な、なんか頼ったらいけない気がするから遠慮しとくにゃ……」

パイモン「うわっ、なんて組み合わせだよ」

ディオナ「あ、犯人」

パイモン「なんのだよ!?」

タルタリヤ「俺はちょっと用事があってふらついてるだけさ」

パイモン「あっちのスネージナヤ出身の連中が怪訝な顔してみてたぞ」

タルタリヤ「あんまり目撃されると面倒だな……そろそろ戻るか」

ディオナ「(なんで出てきたの?)」

パイモン「で、ディオナは何してるんだ?」

ディオナ「お酒の流通を止めようとしてたの」

パイモン「とんでもない事言ってるぞ……でも、具体的にどうするんだよ」

ディオナ「それは……運搬の邪魔をするとか?」

パイモン「ヒルチャールみたいなことするなよ……」

ディオナ「うー、とにかく様子見てくる! 行けば何か思いつくかもしれないしね」

パイモン「あっ、おい! 正気かよ!」

行って、普通に運搬手伝ってきた。

 

 

9.野望その4

ディオナ「次は……」

マーガレット「ディオナちゃん、そろそろお仕事の時間よ?」

ディオナ「はーい」

ディオナ「……野望はまた次回に持ち越しにゃ」

マーガレット「今日もディオナちゃんのファンが沢山待ってるから、期待してるわね」

ディオナ「あーもう、あたしのファンは酒臭いおじさんばっかり!」

ウエンティ「…………」

ウエンティ「ぼくも特性カクテルは好きだけど、おじさんじゃないんだけどなぁ……」

ガイア「そうそう、俺もおじさんと呼ばれるにはまだ早いと思うぜ」

ウエンティ「わぁ、びっくりしたなもー」

美味しいお酒しか作れないのも難儀だね。

 

 

10.野望(おまけ)

雷電「できました。神子の好きそうなお酒です」

八重「日本酒に油揚げをしこたま突っ込むのは感心せぬぞ」

雷電「そうですか」

一斗「そういやぁモンドじゃスミレウリを酒に混ぜるらしいぜ」

雷電「誰でしょうか?」

原神日和,原神SS

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